親や近しい親族が亡くなった際に行わなければいけないことのひとつが遺品整理です。遺品整理といえば故人の持ち物を整理・形見分け・処分することをいいます。遺品整理といっても仕分けから掃除までさまざまな工程を経なければいけません。その中でもいくつか注意点がありますので、今回はそちらをご紹介します。
1.事前の注意点
1-1.親戚へ事前通知を行う
まず遺品整理を行うことが決まったら、親戚へ「いつどこで誰と」遺品整理を行うかを通知するようにしましょう。遺品は故人の家具や衣類、写真や手紙やアルバムだけでなく貴重品やブランドバッグなど高価なものも含まれます。その場合、遺品ではなく“遺産”とみなされる場合があるため、親族に無断でそのような品の形見分けを行えば親戚同士のトラブルへと発展してしまいます。事前にいつどこで遺品整理を行うのか告知しておくことでトラブルを防ぐことができます。
1-2.スケジュールをたてておく
同居している家族が亡くなった場合は別ですが、アパートやマンションなど賃貸物件に居住していた場合、契約が切れる退去日までに遺品整理を済ませなければいけません。
遺品整理は個人の持ち物の整理だけでなく、持ち物の処分やお部屋の掃除も行わなければいけません。限られた時間でこれだけの作業をこなすのは大変なことなので、事前にスケジュールをたてるなどして計画的な作業を心掛けましょう。
1-3.相続税などの法的な手続きを行う
遺品整理を行う前に税金関連の手続きは終わらせておきましょう。また、公的な手続きは時間と手間がかかるため、行う手順もスケジュールの中に組み込んでおく必要があります。不動産・債務・預貯金・有権証券などの手続き等をどのようにするか、事前に親戚と話し合っておくとスムーズに事が進みます。
2.遺品整理時の注意点
2-1.形見分けする際に
遺品を形見分けする際にもポイントがあります。ネクタイは男性に、アクセサリーは女性になど、贈るものは相手に応じて選ぶように心がけましょう。形見分けの品は親戚が集まる法要の際などに手渡すようにします。綺麗に包む必要はなく、お半紙や奉書紙で包みます。
2-2.遺言書の有無
遺品整理前に遺言書が見つかった場合には、遺言書の意向に沿った遺品整理をするようにしてください。また、遺品整理中に遺言書が見つかった場合には絶対に勝手に開封しないようにしてください。親族と相談し合って開ける、弁護士や専門の方の助言をいただきながら扱うのが安心です。遺言書は家庭裁判所に持ち込み、中身を確認してもらうこともあります。
3.遺品処分の注意点
3-1.仏壇の処分方法
たまに故人が所有していたお仏壇を粗大ごみとして処分する方がいますが、大きな間違いです。お仏壇はお寺できちんと供養してから処分します。お寺のほかに、仏壇処分業者もあるので問い合わせしましょう。
3-2.個人情報に関する遺品
生命保険証書・年金証書・免許証・クレジットカードを見つけたらそのまま処分したり放っておいたりせずに、それぞれの窓口に赴き必要な手続きを行ってください。クレジットカード等は放置しておくと悪用されてしまう可能性もありますの、で必ずカード会社に問い合わせ解約手続きをしてから処分するようにしましょう。
3-3.不用品の処分方法
遺品整理は荷物の他にお部屋のお掃除も作業に含まれています。お部屋を一部屋開けるとなると、ゴミとして処分される物の量も大変多くなってしまいます。通常、出てしまったゴミはマンション備え付けのゴミ置き場や自宅近くのゴミ捨て場に置いておくものですが、一度に大量のゴミをゴミ捨て場に置いてしまうことは同じマンション内の住民や近隣住民に迷惑になってしまう可能性もあります。
あまりにゴミの量が多い場合は専門業者に回収しにきてもらったり、自分でクリーンセンターにゴミを持ち込んだりするという方法もあります。
4.遺品整理は業者にお願いするのがおすすめ
ここまでご説明しましたが、遺品整理とは想像以上に作業時間・労力を必要とする作業です。特に近しい親族が亡くなった方はお通夜やお葬式の準備や親族や知り合いの対応、各種手続きなどただでさえやらなければいけないことが大変なのに、その上遺品整理ともなると体力的にも精神的に疲れ果ててしまうでしょう。
そんな方は無理をせずに遺品整理の専門業者に遺品整理のお手伝いをしてもらうことをおすすめします。その際には、一般社団法人遺品整理士認定協会が認定している民間資格である遺品整理士が在籍しているところ選ぶのがおすすめです。遺品整理の正しい知識やモラルを有すことを目的としているので、安心して遺品整理をお願いできます。
5.まとめ
遺品整理の注意点についてご説明しました。遺品整理を行う際には事前に親類との情報共有が大切です。聞いてなかった、知らされてなかったとなると後々トラブルに発展してしまう危険があります。
また、遺品整理の作業に関しても個人情報の取り扱いや仏壇やなどの特殊なものに関する処分方法も理解しておかなければいけないことがいくつかあります。遺品整理の際は今回お伝えしたことを少しでも参考にしていただければ幸いです。