親や親族が亡くなると、悲しむ間もなくお通夜やお葬式、親戚への連絡など、現実的な問題に追われることになってしまいます。“遺品整理”もそのひとつです。今回は遺品整理の流れや手順などをご説明します。
1.遺品整理とは?
遺品整理とは亡くなった方の生前遺した持ち物を整理することです。整理するものは幅広く、家具・家電・衣類・アクセサリー類・貴重品・日記・人形・アルバム・手紙・写真等です。また、生活用品や思い出の品を整理して形見分けするだけでなく、不要な品を処分するのも遺品整理の中には含まれています。
近年は、二世帯で生活する家族形態が少なくなってきているのと同時に、一人暮らしの高齢者がアパートやマンションで孤独死を迎えるケースも増えてきています。故人が住まわなくなっても、マンションやアパートの家賃は発生しますし、遺品をそのまま放置することで家の中の衛生状態が悪化し害虫・汚臭問題も発生します。さまざまな手続きに駆け回らなければいけない中、遺品整理もなるべく早く行う必要があります。
2.遺品整理の流れ①準備
2-1.事前に親族には連絡を
遺品整理を行うことが決まったら、まずは親戚に“いつどこで遺品整理をします”と連絡を入れましょう。遺品の中には思い出の品の他に、価値のある貴金属や着物、ブランド物がある可能性もあります。価値のあるものは“遺産”と見なされてしまうため、親族間で無断で形見分けをしてしまうと後々とトラブルに発展してしまう可能性があります。トラブルにならないためにも、親族には遺品整理を行う通知をしておきましょう。
2-2.遺品整理のための準備物
遺品整理を行う上で最低限用意しておきたい準備物は以下のものです。
・軍手、マスク(ゴーグル)
細々とした雑貨以外にも家電や家具を運ぶ可能性もあるので、ケガをしないよう軍手を用意しておきましょう。また、ホコリ対策にマスクやゴーグルを用意しておくと作業がスムーズに進みます。
・ゴミ袋/ポリ袋
ゴミ袋は住居施設や自治体によってさまざまかと思いますので、指定されたものを用意してください。ゴミ袋の他に30枚入の透明ポリ袋を用意しておくと遺品の分類作業に役立ちます。
・ダンボール/ガムテープ/紐/マジックペン
整理した遺品を入れるダンボール、また封をするダンボールや紐も用意しておきます。何が入っているかひと目見て分かるように油性ペンを用意するのも忘れずに。
・ほうき/ぞうきん/バケツ
特にアパートやマンションの場合、原状回復をしてから貸主へと返さなければいけません。遺品整理をするだけでなくお部屋のお掃除も作業に含まれていますのでお掃除用品も用意しておきましょう。
3.遺品整理の流れ②片付けの手順
それでは片付けを進めていきます。順を追って説明していきましょう。
①作業スケジュールをたてる
だらだらとしていては終わりが見えないので、どれくらいの時間や期間で終わらせるというスケジュールをたてましょう。期間を決めることによって作業の段取りが決まり、作業効率も上がります。
②導線の確保
片づける場所を決めたらまずは導線を確保します。運び出す家具やごみ袋がスムーズに通れる導線や整理したい物を分別できるような開けた作業スペースを確保しましょう。何度もモタついて運び出すのに時間がかかったり、整理したいものと関係のないものが混同してしまったりすることを防ぐことができます。
③まずは全てをざっくり分ける
お部屋が散らかっている場合や物が多い場合、どこから手をつければいいのか分からないと戸惑われる方も多いかと思います。そんなときは、まず全ての持ち物を「残すもの」「処分するもの」とシンプルに分けてみてください。とにかくその作業に徹します。仕分けが終われば「残すもの」の中から“形見分けするもの”“そうでないもの”、「処分するもの」の中から“捨てる物”“売るもの”に分別していくだけです。
4.業者にお願いするという選択がおすすめ
ただ、生前住まわれていたお部屋がゴミ屋敷に近い状態だった、自分たちで家具を運びだせない、持ち物があまりにも多くて親族だけではどうにもならないということもあるかと思います。ましてや、お通夜やお葬式やさまざまな機関との手続き等で身も心も疲れ果てている中での遺品整理は体力的にも精神的にもきついものがあります。
そんな方におすすめなのが業者へ遺品整理をお願いするという方法です。専門知識を持ったプロの業者が丁寧に遺品を整理してくれます。処分品についての知識も豊富でゴミの分別や処分方法などの知識も豊富なので安心してお願いすることができます。
5.まとめ
遺品整理の流れについてご説明させていただきました。人1人の持ち物は意外にとても多いものです。形見の品の整理だけでなく、家具の運び出しやごみの分別、お部屋のお掃除までやらなければいけない作業は山のようにありますので、特に別居されていた親族の遺品整理は1人では行わず、かならず複数人で行うようにしてください。遺品整理の専門業者に頼むのをおすすめします。今回ご説明した手順や準備が少しでも参考になれば幸いです。