遺品整理を行う上で、さまざまな場所にトラブルの種が潜んでいます。遺品整理の方法や親族内の相続トラブルだけでなく、遺品整理を専門業者にお願いする方は業者とのトラブルにも注意しなければいけません。
こういったトラブルは未然に芽を摘んでおけば回避できることがほとんどですので、今回は遺品整理にまつわるトラブルとその回避方法についてご説明します。
1.親族間のトラブル
遺品整理にまつわるトラブルとしてまず挙げられるのが親戚同士のトラブルです。遺品整理を行うことを親戚に通知せずに行う、見つかった貴重品類の分配を勝手にしまうことによって親戚同士でトラブルに発展してしまう、などがあります。
遺品整理は故人の日用品や思い出の品だけでなく、高価な装飾品やブランド物などが出てくることがあります。その場合は遺品ではなく“遺産”とみなされる場合があり、勝手に遺産を分配してしまうとあとあと問題になってしまいます。事前に遺品整理を行うことや、見つかった“遺産”と思われるものの情報共有を怠らないことで親戚同士のトラブルは未然に防ぐことができます。
2.個人情報の取り扱いのトラブル
2-1.クレジットカードは必ず解約する
遺品の中には個人情報が掲載されている書類やカード等もあるかと思います。個人情報が掲載されているものをそのままゴミ袋に入れて破棄してしまってはいけません。誰かがゴミを漁り個人情報が流失し、悪用されることがあるかもしれません。例えばクレジットカード等は悪用されると不正な請求を求められたりすることがあります。
必ずクレジットカード会社へ連絡し解約手続きを終えてからカードを返納、または破棄するようにしましょう。
2-2.スマホやパソコン内の個人情報は見落とされやすいので注意
また、近年多いのがスマホやパソコンからの情報漏洩トラブルです。スマホやパソコン内に残っているデータを消さなかったためにその中の情報が抜き取られ、電話帳内の個人情報の悪用やSNSのアカウントが乗っ取られたりすることがあります。そうなると親戚だけでなく全く関係のない他人にまで迷惑をかけてしまうことになります。正しい方法に従って、データも全て消した上でスマホやパソコンを破棄するようにしましょう。
3.遺品整理業者とのトラブル①お金/契約
遺品整理は遺品整理専門業者にお願いすることができます。遺品整理を行う時間がない、体力的にも精神的にも辛い、故人の残した貴重品を見つけることができないという方の中には遺品整理のプロにお願いするという方が最近増えてきています。
良質な業者に当たれば問題ないのですが、中には悪徳業者が存在し、トラブルを起こしています。そこで悪徳な遺品整理業者とのトラブルにはどのようなものがあるのか、またその対処法についてご説明します。
遺品整理を専門業者にお願いする時には事前に見積もりをお願いするのが一般的です。お部屋の広さや家具の数、荷物の量などを把握した上で一度見積を出してもらい、双方が納得すれば契約が成立する仕組みです。しかし、いざ作業が終わるとなにかと理由をつけて見積金額以上の請求をしてくる業者がいます。また、見積もり自体を出してくれないところもあるそうです。このようなことにならないためにも
・遺品の搬出や清掃など全ての工程を含めた見積なのか
・追加料金がかかる場合はあるのか
・貴重品が見つかった場合買取してくれるのか
・家電を処分するために追加でお金がかかるのか
・家電のリサイクル料金は上乗せされるのか
等を事細かく聞いておくとトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
4.遺品整理業者とのトラブル②遺品の取扱い
4-1.不当な買取金額に注意
最近は“遺品の買取”をプランの中に入れている業者も多くみられます。遺品を買取してもらえれば、費用が安くなるため助かるという方も多くいらっしゃることと思いますが、ここでも注意が必要です。
必要な資格を持たないのに遺品の買取を行う・買取相場金額を無視して不当に安い金額で買取を行うという業者も中にはいます。遺品の買取には「古物商許可証」という許可が必要になるので、そういった許可証を持っている業者なのか確認した上でお願いすることをおすすめします。
4-2.不当な廃棄は所有者の責任になる場合も
また、業者の勝手な判断で必要なものを捨てられてしまう、捨てられる品が適切な方法で処分されず山に不法投棄されてしまう等のトラブルもあります。不法投棄するのは業者だから、こちらは関係ないものだと思いがちですが、不法投棄された荷物は故人の所有物なので責任が故人(親族)に降りかかってくる可能性があります。
業者を選ぶ際には適切な廃棄がされるか、信頼して遺品整理を任せることができるかなど見極めてからお願いするようにしましょう。
5.まとめ
遺品整理にまつわるトラブルについてご紹介させていただきました。遺品整理は親族間だけのトラブルだけでなく、遺品整理業者とのトラブルにも注意しなければいけません。親族間ではなるべく情報を共有することでトラブルを防ぐことができます。
悪徳な業者にひっかからないようにするには、事前の見積と実際に相違が発生しないか確認しておく、しかるべき免許や許可証を持った上で営業しているかどうか、実際に会ってみてどんな組織なのか確認するなどで未然にトラブルを防ぐことができます。今回ご紹介させていただいたことがお役に立てれば幸いです。